有痛性分裂膝蓋骨（ゆうつうせいぶんれつしつがいこつ）**とは、膝のお皿にあたる「膝蓋骨（しつがいこつ）」が、成長期にひとつにくっつかず、複数の骨片のまま残ってしまう状態のことです。

通常、成長とともに膝蓋骨はひとつに癒合しますが、まれにこの癒合が不完全なままになる場合があり、運動や衝撃によって炎症や痛みが出ると「有痛性」と診断されます。

主にこんな方に多く見られます：

・10代の学生アスリート（特に中学生・高校生）

・ジャンプやダッシュが多い競技（バスケ・サッカー・バレーなど）をしている方

・膝の痛みがあるが、骨折や捻挫ではないと診断された方

原因と発症のメカニズム

有痛性分裂膝蓋骨は、以下のような要因が関わって発症します。

■ 成長期の骨の未完成

成長期の子どもは、骨がまだ柔らかく発育途中です。膝蓋骨の中心と端が完全に癒合せず、複数の骨片が残ることがあります。

■ スポーツでの膝への繰り返しの負荷

・ジャンプや着地

・スプリントや方向転換

・膝を強く使う反復運動

こうした動作が癒合していない骨片にストレスをかけ、炎症や痛みの原因になります。

■ 筋肉の柔軟性不足

太ももの前の筋肉（大腿四頭筋）が硬いと、膝蓋骨を強く引っ張り、骨片に負担が集中してしまいます。

放置するとどうなるの？

・慢性的な膝の痛みに移行する

・骨片がさらにずれて変形する可能性

・スポーツパフォーマンスが低下し、試合や練習に影響

・手術が必要になるケースもまれにあります

特に学生時代は「多少の痛みは我慢」と考えがちですが、成長期の膝に無理をさせると後遺症につながるリスクもあるため注意が必要です。

宇治東洋鍼灸院では、有痛性分裂膝蓋骨に対して、「痛みを和らげる施術」と「再発予防を目的としたケア」を並行して行っています。

【炎症のケア】

・ 電気治療（干渉波・超音波）で痛みや腫れを軽減

テーピングで膝蓋骨の安定性を確保し、患部の負担を軽減

【筋肉の調整】

・大腿四頭筋、ハムストリングス、臀部など、関連する筋肉の柔軟性を高め、膝へのストレスを分散

・マッサージやストレッチを用いた手技療法で筋緊張を整えます

【鍼灸による深部アプローチ】

・鍼で痛みの原因となる筋肉に直接刺激

・お灸で血流を促進し、自然治癒力を高めます

【セルフケアの指導】

・自宅でできるストレッチや筋トレの指導

・姿勢やフォーム、歩き方のアドバイスも行い、再発を予防します

「最近、膝のお皿のあたりが痛い」

「運動後に膝が腫れる・熱を持つ」

そんな症状がある場合、ただの成長痛や使いすぎと思わず、一度専門家に相談してみてください。

宇治東洋鍼灸整骨院では、学生のスポーツ復帰を全力でサポートします。

痛みを我慢せず、早期に適切な対処をして将来の不安をなくしましょう！